YSSサスペンションとは
正規販売店のガレージ湘南が、YSSサスペンションについて、くわしく紹介します。
1,どんなメーカーなのか?
2,どんな人たちが設計・開発しているのか?
3,実績
4,海外での評価・実績
5,ハーレーダビッドソン
6,YSS製品ラインナップ
7,2つあるYSS日本代理店
8,YSSリアサスの耐久性
9,並行輸入品・偽物に注意
YSSサスペンションの特徴
1983年タイ王国で設立。
タイ王国に本社を置く、二輪車および四輪車向けの高性能ショックアブソーバー製品の研究開発、製造、販売をおこなう世界的サスペンションメーカーです。
(台湾や、中国と勘違いされることが多いですが、タイランドです)
・二輪車向け製品(MOTO)
競技用、一般用、オフロード、スクーターなど、多様な用途に対応したショックアブソーバーを提供。
・四輪車向け製品(AUTO)
競技用車両、UTV、乗用車、SUV、ピックアップトラックなどに対応するショックアブソーバーを提供。
YSSは8か国に広がるR&Dチームの30年以上にわたる経験を活かし、世界中で8,000以上の製品を展開しています。これにより3,000以上の車種に対応し、国内外の30か国以上で販売されています。(2024年11月現在)
研究開発はもちろん、サスペンションを構成するパーツの設計・製造を自社でおこなっています。
「インドネシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール、香港、韓国を含むASEANの市場では、当社はナンバーワンです。
日本に関して言えば、当社は現在第2位です。
ヨーロッパはスクーターとオートバイの 2 つの市場に分かれています。スクーターでは5年連続シェアNo.1を誇ります。現在、当社はドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、フランスでナンバーワンです」
YSSサスペンション CEO 2020年インタビューより
YSSサスペンション CEO(最高経営責任者)のピニョ・パニチガセム(Pinyo Panichgasem)氏
1995年、ピニョ氏がCEOになり、それまでYSSがおこなっていたOEM生産を辞めて、自社製品の販売、世界進出へと経営の舵を切りました。
2023年4月、タイにYSS D.C.(物流&カスタマーサービスセンター)が完成しました。
ショールームやミュージアムのほか、カフェなど飲食店が併設され、各種イベントが開催される交流の場になっています。(今後、タイ以外にも設置する予定とのこと)
最新システムを導入した倉庫
製造の様子が公式アカウントの動画で公開されています(1分32秒 2022年)
第三者による認証を取得
YSSサスペンションは第三者機関による認証を取得し、製品の信頼性や、高い品質管理基準を維持していることを証明しています。
2001年
自動車部品やシステムの機能安全性を評価する認証組織 TÜV Rheinland(テュフ・ラインランド)により、品質管理システムの国際標準規格ISO9002およびQS9000取得
2006年
標準規格の統合に合わせて同上TÜV Rheinlandにより、ISO/TS16949:2002取得
2008年
ドイツの自動車連邦局(KBA)により品質保証システム「ABE」取得
世界選手権でワークスチームが採用
2024年スーパースポーツ世界選手権(WSSP)では、MVアグスタのファクトリーチームのほか、MotoGPやスーパーバイクのDUCATI テストライダーが在籍する名門チーム「Barni Racing Team」がYSSサスペンションを採用。
55 ヤリ・モンテッラ選手
ドゥカティ パニガーレV2
Barni Racing Team
最終ポイントランキング 3位
表彰台獲得数:14回(優勝7回)、ポールポジション:3回
23 マルセル・シュロッター選手
MVアグスタ F3 800 RR
MV AGUSTA REPARTO CORSE
最終ポイントランキング 5位
2位:2回、3位:2回
世界選手権ミドルクラスにおいても、YSSサスペンションがオーリンズや、ビチューボを相手に互角以上のパフォーマンスを発揮することが証明されました。
世界選手権
4年連続タイトル獲得
YSSサスペンションのレーシングサポートライダーが、4年連続でスーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)のタイトルを獲得。
2022年は表彰台獲得率93.75%。全16戦中、15戦でYSSサスペンションのサポートライダーが表彰台に登っています。(出典)
2023年 ジェフリー・バイス選手がWSSP300史上初となる2度目のタイトルを獲得(写真右下)
2024年にはMTM KAWASAKIが、5年連続でWSSP300 年間チームタイトルを獲得しました。
世界各国でタイトル獲得
タイ王国、日本、フィリピンなどアジア諸国はもちろん、ニュージーランド、スペインやイタリアなどヨーロッパ諸国の選手権で、YSSレーシングサポートライダーが、タイトルを獲得しています。
以下、2021年から2024年現在までの実績の一部です。
■ESBK スペイン スーパーバイク選手権
✓SS600NG チャンピオン(2023-2024年)
✓SS600NG 年間チームタイトル獲得(2024年)
✓STK600 チャンピオン(2022年)
✓SS300 年間チームタイトル獲得(2023-2024年)
✓SS300 チャンピオン(2023年)
✓SBK junior チャンピオン(2021年)
✓PreMoto3 チャンピオン(2023年,2021年)
✓Moto4 チャンピオン(2023-2024年,2021年)
✓Moto4 年間チームタイトル獲得(2024年)
■スペイン クラシックスピード選手権
✓4年連続チャンピオン(2021-2024年)
■CIV イタリアロードレース選手権
✓スーパーバイク チャンピオン(2023-2024年)
✓スーパーバイク 年間チームタイトル獲得(2023-2024年)
✓SS600NG チャンピオン(2024年)
✓SS300 チャンピオン(2023年)
■アプリリアRS660 Cup チャンピオン(2024年)
■FSBK フランス スーパーバイク選手権
✓SS600NG チャンピオン(2024年)
✓ヨーロピアンバイク チャンピオン(2024年)
■NZSBK ニュージーランド ロードレース選手権
✓2023年 SS300/SS600同時チャンピオン(全てのサーキットでレコード更新)
✓2024年 SS600 2年連続チャンピオン
✓SUPER BAGGER PRO チャンピオン
■フィリピン
✓Pirelli Cup G2 2024 LIGHT WEIGHT 400 Pro チャンピオン
世界各地のレースで、高い技術水準を証明しています。
YSSサスペンションの設計・開発スタッフ
MotoGPや、スーパーバイク世界選手権経験者で構成されるYSSレーシングスペシャリストたち。
サーキットでライダーをサポートしたり、YSSサスペンションの研究開発をおこなっています。
YSSのR&D(研究開発センター)は日本、ニュージーランド、スペイン、オランダ、イタリアなど各地にあります。
中央右側が研究開発ディレクター ヘンリクス・エッセンス(Henricus Essens)氏。
エッセンス氏はオランダ出身で、元WPサスペンション(旧称ホワイトパワー)のエンジニア。35年以上、サスペンションの設計に携わっている専門家です。
2005年、エッセンス氏らヨーロッパの研究開発チームがYSSサスペンションに加わり、飛躍的に技術革新。
YSSが高性能サスペンションの開発・生産にシフトする転機になりました。
大型バイクのサスペンションは、主にYSS Suspension Europeで設計し、元モトクロス世界チャンピオンがテストライダーを務めているそうです。
日本のYSSサスペンション
前出の写真右から二番目が小澤 仁樹氏。
YSS本社(Y.S.S. Thailand Co.,Ltd.)の日本人スタッフとして、YSS JAPAN(株式会社PMC)に在籍されています。
小澤氏はオーリンズ日本総代理店 株式会社カロッツェリアジャパン勤務(1996-1998)を経て、SHOWAに入社。
SHOWA勤務時代は、オイルシールの研究、シミュレーターによるレース車両の計測と解析、スーパーバイク用キットの開発に従事。
メカニックとして全日本ロードレース選手権や、鈴鹿8耐ではホンダのファクトリーチームを担当。
MotoGPではホンダワークスチーム
・ニッキー・ヘイデン選手
・マックス・ビアッジ選手
・カルロス・チェカ選手
・中野真矢選手
を担当し、世界トップライダーたちをサポート。
ヘイデン選手(レプソル・ホンダ)は、2006年 MotoGPで世界タイトルを獲得しています。
現在、小澤氏はYSSのレーシングスペシャリストとして、研究開発のかたわら、全日本ロードレース選手権をはじめとする日本国内の2輪・4輪レースで、全国各地のサーキットに足を運び、ライダーやドライバーをサポートしています。
TransMapRacing with ACE CAFE
大石 正彦選手/平野 ルナ選手/梶山 知輝選手
YSSサポートライダー 日本国内のレース実績
■全日本ロードレース選手権
JP250タイトル獲得
荻原 羚大選手(2023年)/CBR250RR
篠崎 佐助選手(2021年)/CBR250RR
笠井 悠太選手(2018・2019年・2020年)/CBR250RR
2024年 JP250 第7戦 岡山国際サーキット
SUNNY MOTO KTM JP250 TEAM
小室 旭選手 KTM RC390
総合1位/インタークラス1位
2023年 JP250 第4戦 オートポリス
TEAM TEC2&MOTOTEC-R4&YSS
横江 竜司選手 YZF-R3
総合1位/インタークラス1位
■もてぎ7時間耐久ロードレース
3年連続 総合優勝 2022-2024年
Vesrah Racing TEC2 & YSS
■2023 SUGO ST150 6時間耐久レース 優勝
Vesrah Racing TEC2 & YSS
■テイスト・オブ・ツクバ 2024年
D.O.B.A.R.-1 優勝
YSS & アゲインRC & BigⅢ 伊藤 大三選手/Z650
上記は実績のごく一部です。紹介した以外にも、サンデーレースなど、プロ・アマを問わず多くのレースシーンで、YSSサスペンションが支持されています。
YSS日本代理店
日本におけるYSSサスペンションの総代理店(正規輸入元)は2社あります。
それぞれ扱っている製品や、業務内容が異なります。
スクーター、〜250cc以下のサスペンション
分解式サスペンション・オーバーホール・研究開発・レーシングサポート
YSS JAPAN(株式会社PMC)
分解可能(オーバーホール可能)なモデルの正規品は、YSS JAPANが部品を日本で組み立て、出荷しています。
非分解式(オーバーホール不可)モデルは、タイで生産され、船便で輸出されています。
(完成品のサスペンションは危険物扱いとなるため原則、国内外を問わず航空便は使えません)
トラブルが報告されているため、並行輸入品にご注意ください。
ガレージ湘南は正規販売店として、それぞれのYSS正規代理店と取引させて頂いております。
※YSS製品の偽物が日本で販売されています。くれぐれもご注意ください。
YSS製品ラインナップ
数々のタイトル獲得に貢献したフロントフォークカートリッジキット。
スプリングプリロード、圧側減衰・伸び側減衰の調整が可能です。
レーシングリアショックは、油圧式プリロード、30段階のコンプレッション減衰力調整機能、30段階のリバウンド減衰力調整機能、車高調整機能などを備えています。
さらにステアリングダンパーを含めた3点が、各選手権のマシンに装着されています。(レギュレーションで禁止されている場合を除く)
ストリート向けはもちろん、モトクロス用リアサスペンションも国産・外車を問わずラインナップされています。
プリロード(イニシャル)アジャスター、フォークスプリング、PDバルブがセットになった比較的、安価にフォークチューニングがおこなえるキットパーツです。
YSSフロントフォーク アップグレードキットとリアサスペンションを装着したCT125
日本で開発された日本車用フロントフォークキット。
前出の小澤氏が手がけられたと、ご本人から伺いました。
適合車種:ZRX1100/ZRX1200R/ZRX1200DAEG/XJR1200/XJR1300/CB1300SF/CB1300SBなど
ハーレーダビッドソン
日本と同じく、タイでもハーレーは人気です。ハーレーユーザーたちにもYSSは支持されています。
YSS製ステアリングダンパー、倒立フロントフォーク、リアサスペンションが装着されています。
新製品のハーレー用 倒立フロントフォーク。2022年12月にタイでおこなわれたタイムアタックレースでは、総合3位、ツーリングクラスで優勝しました。
AMERICAN V-TWIN CUP2024 SUPER BAGGER PROクラスでシリーズチャンピオン獲得。
耐久性は?
海外メーカーに対するイメージや、インターネット上の不確かな情報に惑わされて、品質や耐久性を心配される方もいらっしゃるかもしれません。
YSSサスペンションはテストや検査を経て、出荷されています。
また1本ごとにシリアルナンバーで管理されており、2年(または1年)のメーカー品質保証がもうけられています。
当店では、主にYSSのストリート向けリアサスペンション(正規輸入品)を250本以上販売していますが、製品欠陥による破損や、損傷は今のところありません。
耐久性においても、当店で高負荷による独自テストをおこなった結果、他の有力サスペンションメーカーに引けをとらないと実感しています。
もし、YSSが品質や耐久性に不安があったり、性能面で劣る製品なら、ほかの有力メーカー製サスペンションを使用するライダーを制して、世界各国の選手権でいくつもタイトルを獲得したり、好成績を残す事はできないはずです。
「インドや中国などの悪路を1年間で約4万km走行したYSSリアサスペンションを、YSSで性能テスト・分解検証してもらったところ、新品同等の性能だった。部品の摩耗も見受けられなかった」
というレポートもあります。
当店でおこなった高負荷走行による耐久テスト。異常は認められませんでした。(詳細レポート)
当店では、YSSと共同開発したリアサスペンション(以下参照)を販売しているほか、他車種用の取り寄せ・取り付けもおこなっています。
※当店で販売している車種・モデル以外は取り寄せとなります。ご注文後のキャンセルはできかねますので、あらかじめご了承ください。
取り付けのみのご依頼も承ります。(お持ち込みOK)
当店で販売しているモデル
ME302シリーズ
CB125T/VT250スパーダ/CBR250RR MC22/NSR250 MC18用
MB302シリーズ
TZR50/TZR50R用
については、オンライン注文のみ受付けています。
お客さまのレビュー
以下、当店のお客さまによるレビューをそのまま、各サイトに掲載しております。